境内にいた祖母猫が永眠いたしました
去る11月14日夜、当山境内地で17年近く生活していた猫が静かに息を引き取りました。
亡くなる当日の昼間は日当たりの良い玄関先にずっと居て、菊の花に囲まれながらお檀家様方や御朱印めぐりの方々の話題となっていました(この日はどういうわけか玄関扉の真ん中に居座っていたので、ご記憶ございます方も多いかもしれません)。
権現堂の下に、お手伝いさん方が用意して下さった猫用のダンボールの寝床があるのですが、最後はこの中で眠るように亡くなっておりました。
当山に来た時点でかなり大きかったので、今は恐らく18歳~20歳前後であったはずです。
目立つ外傷もなく、苦しんだ様子もありませんでしたので、恐らくは老衰であったと思われます。
先代住職が無類の猫好きで、境内地に通りかかったこの猫に「ニャー!」と声をかけたところ、ニャーと鳴いて返事をしたのがきっかけで当山に住まうようになりました。
基本的には野良猫なので、朝晩のエサを少々やるくらいのことしかしていなかったのですが、この猫が一番人懐っこかったので、お参りの方々にもよく可愛がって頂きました。
以前はたくさんの猫を産みましたが、8年前に境内地内の猫すべてに去勢手術を行ってから、子どもたちの多くは去ってしまい、今残っているのはこの猫と子供のミケ猫と、たまに来る孫猫だけとなっていました。
当山寺族には猫に人間のような名前をつける習慣があまり無く、ずっと「ばあちゃん猫」「ミケ」「孫」という呼び方でした。今回亡くなったのはこの「ばあちゃん猫」になります。
とても賢い猫で、最初の子育てを外でしている際に台風が来た時には先代住職へ助けを求めに来たり、次の子猫が生まれた時にはその時の反省を生かし、客殿屋根裏に入り込んで子育てをしたりするなど、しばしばその行動に驚かされることがありました。
おそらくは元々家で飼われており、人との関わりに慣れた猫であったのではなかったかと思います(戸や窓が空いていると、頻繁に屋内へ入りたがっていたのもこの猫でした)。
祖母猫は、今はこの猫を大変可愛がっていた先代住職の墓のそばに生えている松の木の根元に静かに眠っています。この眠り猫はガーデニング用品のようですが、表情が気に入ったので購入させて頂きました。
境内地で亡くなった猫の墓標のようなものを作ることは今までしてこなかったのですが、祖母猫はつきあいが長いせいか、何か置いてやりたくなりました。
多くの思い出に、ただひたすら感謝の想いです。